事業承継には2つの覚悟が必要

こんにちは、後継ぎ社長の事業承継サポーター竹代です。

 

先日とある会社(小売業)の後継者の方(現在は専務)とお話をする機会がありました。

この方はお父さんが社長です。

事業承継について悩んでいることはありますか?という質問をしてみると

その方の一番の悩みは「父親が社長をなかなか交代してくれない」というものでした。

 

「社長を交代してくれない」

これは特に意欲的な後継者にとって、あるあるの悩みなんですね。

その後継者の方によると、お父さんはいつ社長を交代するとは

明言してないとのこと。

ちなみにお父さんは69歳、後継者は40歳です。

 

ただ会社の業績はどちらかというと右肩下がりで、

今までと同じことをしていたのでは、

会社を存続させていくのは難しいとのこと。

後継者の方は、頭も良く、行動力もある方で、

いろいろなチャレンジをしようとされています。

しかし社長は、後継者の方が提案したことについて

基本的には反対のスタンス。

社長を説得するのに何か月もかかって

やっと新しいことを始められるんです。とのことでした。

 

社長には社長の考えがあるのだとは思いますが、

事業承継には、ある程度の年数が必要です。

社長の年齢を考えると、そろそろいつを交代のタイミングに

するのかを後継者の方と話し合っておくべきだと感じました。

 

私が常々、事業承継に関して思っていることは

事業承継には2つの覚悟がいるということ。

ひとつは、現社長の「社長を譲る覚悟」。

もう一つは、後継者の「社長になる覚悟」です。

 

そしてこの「社長を譲る覚悟」がなかなかできず、

ずるずると事業承継を引き延ばした結果、

廃業を余儀なくされるというのも

事業承継の失敗事例のあるあるなのです。

 

厳しい言い方をすると、

社長を譲る覚悟ができないのであれば

後継者を会社に入れるべきではありません。

それは後継者にとって不幸なことです。

 

それともう一つ。

もし私がこの会社の顧問税理士であれば

社長に事業承継計画を立てることを提案します。

後継者からはなかなか「親父、社長交代してくれ!」とは

言いにくいものです。

今回のように、意欲的な後継者がいるケースであれば

顧問税理士が事業承継のきっかけを作ってあげるべきです。

専門家が積極的に関与すれば、

上手くいく事業承継というのも多いように感じます。