厨房専用シューズがママさんに人気?

こんにちは、税理士の竹代です。

 

よくマーケティングで、「ターゲットとなる顧客を絞りましょう」という話が出てきます。

経営者としてはできるだけ多くの方に買ってもらいたいので、

顧客を絞ると売上が減少してしまうのではないかと思われる方が多いです。

ところがこれだけモノやサービスがあふれてしまうと、ターゲットを絞り

そのターゲットに深く刺さる商品を開発しないとかえって売れません。

誰にでも受けると思う商品は、誰にも選ばれないということになってしまうのです。

 

ではやはり売上が多少下がっても、一部の人に選ばれる商品を作るしかないのかと

言うと実はそうではありません。

絞ったターゲットのために開発した商品が、想定しなかった顧客に選ばれることがあるのです。

 

先日テレビ東京系の「カンブリア宮殿」で、ワークマンという会社が紹介されていましたが、まさにこの番組の中にそのような事例が出てきました。

ワークマンは元々現場で働く人のための作業服や消耗品をワンストップで販売する店としてスタートしました。

しかし今では一般の人でも普通に着られるおしゃれなデザインの服を販売しており、

安くて機能的と業績は好調のようです。

番組では、ユニクロを追撃と紹介されていたほどです。

 

番組の中で、厨房の方向けの靴が紹介されていました。

厨房は床が水や油で滑るため、滑りにくい素材を靴底に使用して、

厨房専用シューズとして販売していたのです。

ところがこれが意外な人に受けたのです。

それは小さな子どもがいるママさんでした。

ある主婦が子どもを抱っこしたまま出かける際、

雨の日は階段や路面が濡れて滑ることがあり、困っていたそうです。

その主婦が、たまたまこのシューズを見つけて履いてみると全く滑らなかったために

自身のブログで紹介したところ。ママさんの間で話題になり、シューズの売上がアップしたのです。

 

さらにそのことを知ったワークマンが、それをヒントに妊婦の方向けの

マタニティーシューズを開発したのです。

商品開発担当の方も、目から鱗と言われていましたが、

消費者は企業側が想定していない使い方をすることが往々にしてあります。

ですから企業側がターゲットを絞ったとしても、ターゲット以外の人に全く売れないとは限らないのです。

 

■本日の学び

「顧客ターゲットを絞り、商品の特性を尖らせることで、新たな顧客を開拓できる」