取締役の人数が不足する場合、取締役会の廃止を検討しましょう
こんにちは、税理士・司法書士の竹代です。
今回は、株式会社の取締役会についてです。
平成18年5月に会社法が施行される前は
株式会社には取締役会の設置が必須でした。
よって平成18年4月以前に設立された株式会社には
規模にかかわらず、必ず取締役会がありました。
取締役会ありの会社の場合、
取締役が3名以上、監査役1名以上が必要となるため
ギリギリの人数しかいない場合
誰か1人でも欠けると新たな人を
探す必要があります。
最近、多い事例で
ある程度社歴の長い会社の場合、
事業承継などで子どもさんに引き継ぐ際に、
取締役や監査役の人数を維持できないケースがよくあります。
例えば、父、母、息子が取締役、
娘が監査役になっている場合に
父、母が取締役をやめると、
取締役が1人になってしまうため、
取締役会を維持することができません。
新たに取締役になる人を探すといっても
下手に外部の人を入れる訳にもいきません。
で、どうしましょうというご相談を受けることがあります。
こんな時は、取締役会と監査役の廃止を
ご提案します。
最初に書いた通り、平成18年5月以降は
取締役会がなくても良いことになったため、
取締役会と監査役を廃止することができるのです。
(ちなみに取締役会ありの会社は、監査役も必要。
取締役会なしの会社は、監査役の設置は任意です。)
取締役会・監査役を廃止する場合、
大幅な定款変更が必要となるため、
手続き的にはやや煩雑です。
ただそれにより、取締役が最低1名いれば
大丈夫な会社にすることができるので
将来のことを考えれば、変更しておく方が得策でしょう。
なお、取締役会がなくなることによるデメリットは
ありますか?と聞かれることがありますが
少なくとも経営陣が親族のみの会社の場合は
デメリットはないと思います。
取締役や監査役が不足しそうな会社の方は
是非参考にしてみてください。