コストコと心理学
こんにちは、税理士の竹代です。
先日テレビを見ていると、「コストコでつい買い過ぎてしまうのはなぜか?」という特集をしていました。
コストコとは、米国発の会員制スーパーのことです。
広い倉庫のような建物の中に、食料品、日用品、家電、衣類などが大量に売られていて
大きなカートを押しながらアメリカっぽく買い物をします。
私もコストコには何度か行ったことがあります。
コストコが人気なのは安くて、品質が良いからだと思っていたのですが、
実はそれ以外に心理学的要素も関係しているようです。
例えばコストコの最大の特徴である会員制という点。
年間4,000円払うと会員になれるのですが、
これにより会費を払っているのだから利用しなければ損という心理が働くそうです。
このことを「サンクスコスト効果」と言うそうです。
私の場合、これはスポーツジムで非常に感じる心理ですね。
行くのは面倒だけど会費がもったいないから行こうという心理が大いに働きます。
それを証拠に今年に入ってからジムを利用するごとに支払う契約に変えたところ
行く回数がかなり減ってしまいました。。。
他にもコストコには宝飾品も売っていて、
高いものでは3,000万円くらいするダイヤの指輪も売っているそうです。
コストコで誰がこんな高い指輪を買うのかと思ってしまいますが、
実はそのコーナーの奥には数万円台のジュエリーも置いているのです。
最初に3,000万円を見てしまうと、数万円が安く感じてしまい
つい買ってしまうという仕掛けがあるのです。
これを「アンカリング効果」と言うそうです。
あとコストコは売り場面積が広大であるにも関わらず
商品の種類はコンビニくらいしかないそうです。
これはひとつには商品を安く仕入れるために、
アイテム数を絞り、大量に仕入れているということがあります。
ただ同時に種類を絞ることで、消費者があまり迷わずに済み
購入しやすくなるという利点もあるのです。
人間はあまりに種類が多いと決めきれず、
結局買わないという選択をしてしまうことがあるからです。
また試食コーナーを多く(10カ所くらい)設けているそうです。
試食コーナーの本来の狙いは、美味しさを体験してもらうことで、
購買意欲を刺激するということでしょう。
しかし心理学的には、「試食したのだから買わないと悪い」という
心理を利用している面もあるのです。
この「人から何かしてもらったらお返しをしなければ」という心理を
「返報性の原理」と言います。
以上が番組で紹介されていた「つい買ってしまう仕掛け」です。
コストコの強みは、圧倒的な安さを実現しつつそれでも利益を出せる
会員制というビジネスモデルを確立した点だろうと思います。
ただその上でさらに買いたくなる仕掛けがなされていたというのは
新たな発見でした。