強みは顧客によって変わる
こんにちは、税理士の竹代です。
本日のテーマは「自社(商品)の強みは顧客によって変わる」という話です。
みなさんは、あなたの会社の強みを教えてくださいと聞かれたら、何と答えますか?
おそらく経営者の方であれば、それぞれ思いつくことがあると思います。
「強み」とは、自社が競合と差別化されている部分であり、
顧客が自社を選ぶ理由になっているものですね。
ところがこの「強み」というのは、あくまで顧客にとって価値があるから強みになるのであり、絶対的な強みというものはありません。
すなわち「強み」とは、顧客が決めるものと言っても良いかもしれません。
例えば、安くて美味しい定食屋さんの強みは「安くて美味しい」です。
しかし、「安くて美味しい」がすべての顧客に対して強みになるかというと決してそうではありません。
例えば、彼女の誕生日を高級レストランでお祝いしようと考えている男性にとっては「安い」は強みになりませんよね。
この男性にとっては、「高級感」「おもてなし」「非日常」といった要素が重要です。
このように強みとは、顧客によっては弱みになることもあるのです。
今日の新聞に良い事例があったので紹介したいと思います。
記事のタイトルは「即席ミルクティー急上昇」です。
今、中国人の間で日東紅茶という日本の会社の「紅茶好きのためのROYAL MILK TEA」という商品が非常に人気なのだそうです。
元々、中国ではお茶を飲むという文化が古くから浸透していますし、
台湾や香港のミルクティーが人気で、粉末ミルクティーも数多く売られているそうです。
ではなぜ今、この日本の粉末ミルクティーが人気なのか。
ひとつには「北海道産の全粉乳を100%使用している」ということが挙げられます。
日本の牛乳、とりわけ北海道ブランドは海外でも評価が高く、それを100%使用している点が受けているそうです。
もうひとつは味です。この紅茶は甘さが控えめなのです。
中国のミルクティーやコーヒーは日本のものよりもはるかに甘く、さっぱりした味わいが
カロリーを気にする若い女性を中心に受けているそうです。
と、中国で受けている理由は分かりました。
しかし、考えてみると「北海道産全粉乳100%使用」とか「甘さ控えめ」という特徴は
日本ではそれほど目新しいものではないように思うのです。
ところがこれが中国に持っていくと、他の商品と明確に差別化された強みに変わるわけです。
今回のケースは国が違うということで少し大きな話になってしまいましたが、
同じ商品でもターゲットによって「強み」になるかどうかが変わるというのはお分かりいただけたのではないでしょうか?
■本日の学び
「自社が考える強みは、本当に顧客にとって価値あるものになっているか?
また強みと認識していなかったもので、既存顧客以外の顧客にとって強みになるものはないか?」